オリオンビール株式会社
深江まりさん(マーケティング) 44歳
フリーランスからオリオンビールへ。子育てとキャリアを両立できる企業に出合えた。
新卒で入社した企業でECに出合い、起業や再就職を経て、十数年にわたりフリーランスとしてネット通販事業に携わってきた深江さん。配偶者の転勤を機に2020年に沖縄へ移住し、配偶者が帰任した後も「沖縄で子育てしたい」と母子3人で沖縄に残ることを決めて東京との二拠点生活を続けている。
移住後はフリーランスを続けつつ、県内企業でアルバイトを2年経験。次第に「沖縄の企業で正社員として働きたい」という想いが強まり、転職活動をスタート。担当コンサルタントの助言を受けながら2024年8月、オリオンビール株式会社への入社を実現した。
収入面では満足していたフリーランス生活に区切りをつけ、正社員として働く道を選んだ深江さん。そのキャリアストーリーを紹介する。
※本記事の内容は、2025年8月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 3回
- 活動期間
- エントリーから内定まで22日間
転職前
- 業種
- フリーランス
- 職種
- マーケティング
- 業務内容
- ECの改善・運用
転職後
- 業種
- 酒類清涼飲料メーカー
- 職種
- マーケティング
- 業務内容
- EC全般のマネジメント
「沖縄で子育てしたい」と二拠点生活に。譲れない条件を明確にして正社員の道を模索。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
マーケティング本部のEC課長としてオンラインショップ全般のマネジメントを担当しています。知名度の高い「Orion」のブランド力を活かし、アパレルなど他業種とのコラボ企画も積極的に展開しています。
当社のミッション「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」を実現するため、地元の魅力的な事業所やプロダクトと連携し、沖縄全体を盛り上げたいと考えています。そのために現場へ足を運び、丁寧にリサーチすることを大切にしています。
入社前のご経歴を教えてください。
新卒で入社した会社で初めてECを担当し、試行錯誤の日々でしたが、その面白さに惹かれて「スキルを磨きたい」と大学院へ進学しました。卒業後は起業を経て、美容業界に再就職。広報を担当していましたが、結婚・出産を経て職場復帰を考えていた矢先に勤務先が倒産してしまいます。
幼子を抱えての転職は現実的に厳しいと考え、フリーランスとしてネット通販の改善・運用などをサポートするEC事業をスタート。また、趣味で続けてきたフラワーアレンジメントをInstagramで発信していたことがきっかけで自宅でのサロン活動も始め、商材のネット販売や起業支援も手がけました。
転機は2020年のコロナ禍。緊急事態宣言が発令され、対面型のビジネスが困難に。ちょうど同じ頃、夫が沖縄に赴任することになり、家族で沖縄へ移住しました。
転職のきっかけは?
移住当初から、「沖縄の企業で働きたい」と思っていましたが、子どもが小さかったことや給与水準への懸念、私自身が地元企業に馴染めるのかとの不安もあり、まずはウェディング業界でアルバイトを始めました。
夫は2年後に仕事の都合で東京に戻りましたが、私と子どもたちは沖縄に残ることにしました。子どもがインターナショナルスクールに通い始めていたことや、「多様性を受け止める土壌がある沖縄で子育てしたい」との想いがあったからです。
そして、私はアルバイト経験を通して「やっぱり沖縄の企業で、もう一度正社員としてスケールの大きい仕事をしたい」と考えるようになりました。フリーランスは収入面では満足していましたが、常に全力疾走の日々。子どもたちと向き合う時間をないがしろにしていることに苦しさを覚え、「このままでは自分も倒れてしまう」と感じていました。
また、コロナ禍以降、リモートワークやフレックスタイムなど柔軟な働き方を取り入れる企業が増え、「今なら自分の望む働き方が見つかるかもしれない」と思い、本気で再就職を考えるようになりました。
転職活動はどのように進めましたか?
2024年2月、転職支援会社に複数登録してリサーチを始めました。当初は首都圏のフルリモート案件も検討しましたが、やはり「沖縄の企業で働きたい」との気持ちを優先することに。
オリオンビールの求人を見つけたことがきっかけで、リージョナルキャリア沖縄(運営・株式会社レキサン)にエントリーすると、担当コンサルタントからすぐに連絡があり、他にも数社提案してもらいました。
最終的には2社から内定をいただき迷いましたが、自分にとってよりハードルが高く、「気合を入れ直して挑戦したい」と思える道を選択しました。
今の会社に決めたポイントは?
子どもたちの送迎に対応できることと、年に数回は東京や夫の実家である韓国に長期滞在できる勤務体制が必須条件でした。その点、オリオンビールは多くの社員が多様な働き方をしており、私には理想的な環境でした。
一方で、マネージャーとして通用するのかという不安も正直ありました。それでも、面接で経営者や上長の話を聞きながら、「この人たちの下で学びたい」という気持ちが高まり、「挑戦するなら今しかない」と決断しました。
初めて転職支援会社を活用。リアルな情報と丁寧なサポートに「戦い方が変わる」と実感。
転職していかがですか?
最初の半年は本当に大変でした。管理職という立場の重さと、周囲の期待に自分が応えられるのかという不安から、自信を失いかけた時期もありました。
どう乗り越えたのか記憶にないほど精一杯でしたが、「分からないことは素直に聞く」「とにかく提案して、フィードバックをもらって修正する」ことを繰り返しました。
最近では他部署の方とのコミュニケーションも増え、「自分が思い描いていることを、仲間と共に実現できるかもしれない」と未来へのイメージを描けるようになってきました。
転職して良かったと思うことは?
子どもたちが私の仕事に関心を持ってくれるようになったことが大きな変化でもあり、喜びでもあります。
当社の商品は県内のスーパーやコンビニには必ずあり、CMやニュースを目にする機会も多いので、「ママの会社だね、すごいね〜」と子どもたちが嬉しそうに話してくれます。
自分の仕事が社会とつながっていると実感できることや、それを子どもたちと共有できることがとても嬉しいですね。
困っていることや課題はありますか?
長年マーケティング畑で働いてきましたが、体系的に学んだわけではないので、人に説明するのがやや苦手です。
今後はチームで成果を分かち合っていくため、マーケティングや経営指標を学び直したいと考えています。
生活面の変化はありましたか?
何よりも時間の余裕ができました。フリーランス時代は休日や夜中にも電話やメールが飛んでくる日々だったので、携帯電話を常に確認する癖がありました。
現在は休日は完全に休めますし、夜中に電話が鳴ることもありません。ようやく最近、家で携帯電話を常にチェックする癖が抜けてきました(笑)。
福利厚生も整っており、過度な残業を防ぐ仕組みもあります。安心して働ける環境があるからこそ、仕事に集中できますし、家庭とのバランスもとりやすいです。企業における総務部門の大切さを痛感しています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
「自分は何を大事にしたいのか」をまず明確にすることだと思います。収入なのか、働く場所なのか、家族との時間なのか。それが見えると選択肢が絞れます。
専門家の力を借りることも大事です。私は今回、初めて転職支援会社に登録してサポートしてもらいました。各企業の実情など求人票にはないリアルな情報を教えてもらえたのは大きかったです。一人で頑張る転職活動とは明らかに「戦い方が変わる」と実感しました。