税理士法人エヌズ
杉原友香さん(仮名・税理士アシスタント) 26歳
東京の大手銀行を辞め、沖縄へIターン。移住転職で見つけた沖縄の魅力。
大学卒業後、大手銀行へ就職した杉原さんは、資格を取得してスキルアップを重ねる一方で、しだいに転職を考えるようになったという。若いうちは積極的に経験を積んで、自分の武器を身に付けたいと考え、銀行員として3年勤めたあと、思い切って海外留学を決意。
しかし、コロナ禍がきっかけで海外留学先はオンライン授業になってしまい、日本に戻ることに。リージョナルキャリアとの面談をきっかけに、沖縄への移住と転職を決意した杉原さんのIターン転職体験をうかがった。
(※本記事の内容は、2021年10月取材時点の情報に基づき構成しています。)
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで35日間
転職前
- 業種
- 金融業
- 職種
- 銀行員(FP)
- 業務内容
- 富裕層向けに投資信託や保険商品の販売、相続シミュレーション提供等
転職後
- 業種
- 士業
- 職種
- 税理士アシスタント
- 業務内容
- 相続対策や相続税申告、事業承継の取扱い
アシスタント業務は日々勉強。税理士から直接学べる恵まれた環境と、大好きな沖縄での生活。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
税理士法人エヌズで、税理士アシスタントとして相続税について申告用の資料作成や、相続税対策としての資産計算、可能な節税対策の提案・対応などを行っています。事業承継についても勉強しつつ、業務にあたっています。前職で身に付けた大まかな知識はあるものの、アシスタントといえるほどではなく、日々勉強させてもらっています。
銀行と違って相続の申請は対価をいただいて対応します。作業工程も多く、対応する書類も多岐にわたり、何より銀行で手掛けていた相続のシミュレーション業務と比較して責任が大きいです。
現在働いている相続業務は全員で5名のチーム体制で、税理士が2名、行政書士が1名、アシスタントが2名。業務は専門用語が多いですし覚えるだけでも大変ですが、税理士に直接教えていただける恵まれた職場環境で成長を感じながら、日々業務に励んでいます。
入社前のご経歴を教えてください。
大学卒業後は、大手銀行へ就職しました。当時は外回りの営業職で富裕層向けの投資信託や保険商品の販売、相続税シミュレーションや贈与のアドバイスといった業務に取り組んでいました。
地域や人への貢献に繋がる仕事内容にやりがいを感じ、関連資格も多く取得しました、異動して経験を積んだあと、かねてからの目標であった海外留学へ行くことにしました。
大手銀行を辞めて海外留学した理由は?
もちろん銀行を辞めることに抵抗はありました。大手企業に就職した際は家族や親戚も安心して喜んでいましたし、辞めると話すと知人を含めて皆が皆、良い反応でなかったことも事実です。
一方で、これまでの経験や時代の流れをふまえて考えると、「会社の名前や規模に依存した個人でいるよりも、自分のスキルや専門的な知識を身に付けられる環境に身を置きたい」と自分自身が感じていたので、それが叶えられるキャリアを模索していました。
25歳でオーストラリアへの留学を決めたきっかけは、海外生活が長く英語が堪能だった父の影響です。そんな父の背中を見て、私も20代のうちにさまざまな経験をしたいという思いがありました。「海外にも一度は住んでみよう」と決めていたので、思い切って留学へと舵を切りました。そして留学先から日本へ戻り、ほどなくして転職活動を開始しました。
転職先に沖縄を選んだ理由は?
年に10回は旅行で来るほど沖縄が好きで、一人でもよく訪れていました。幼い頃から家族旅行の定番は沖縄で、大学生の冬にダイビングのライセンスも取得しました。社会人になってからはお金に余裕もでき、さらに沖縄を訪れる頻度が増えました。
そんな中、沖縄の独特な歴史や文化、食べ物に興味を持つようになり「沖縄の土地」に関心を抱くようになりました。沖縄は日本の中でも特別な歴史と文化があると認識しており、「この土地や人をもっと知りたい、勉強したい。住んでみたい」と思うようになったことが大きな理由です。
私の沖縄好きは周りもよく知っていたので、いつか住むのではないかとみんな思っていたようです。こんなに早いタイミングでの移住は、私自身も驚いていますが(笑)。
転職活動はどのように進めましたか?
インターネットで求人を検索して、リージョナルキャリアを見つけました。「暮らしたいところで 思いきり働く」というキャッチコピーに共感しましたし、私自身もこのリージョナルHEROのインタビューを見て背中を押された一人ですので、インタビューの依頼を受けたときは、協力したい気持ちが強かったです。
コンサルタントの花岡さんは、一回の面談で私の転職に対する想いをキャッチしてくださり、この人なら任せて大丈夫だと確信しました。私の言語化しきれなかった想いを言語化できるように相談相手になってくれたり、さまざまなゴール設定や、そのゴールをモノにするための具体的な方法や方針、優先順位の決め方など、多くのアドバイスいただきました。
また「なぜ私にこの企業を提案してくれたのか」という理由もしっかり伝えていただき、会社の雰囲気やトップの人柄、自分の思い描くキャリアを追求できるかなども含めて、しっかりフォローしていただきました。
もし条件が合わなければ東京での転職も考えていたので、複数の紹介会社を利用したのですが、最初は「紹介会社って、求人を探してきて、自分の利益を考えて案件を提案するのかな?」という先入観もありました。実際は、花岡さんに限らず、他社のコンサルタントもガツガツしておらず、私の話すことを否定もせず、寛容に対応してくださった点がすごく好印象でした。何より、私自身の可能性を一緒に切り拓いてくれたように思います。
今の会社に決めたポイントは?
私は、海外留学もそうですが、旅行も好きですし、周りから行動力が凄いという印象を持たれるのですが、実際は意外と細かい部分も気になる性格。なので、入社する企業の条件は細かく設定しました。会社の規模感は50名程度が希望でした。大企業になると、業務が細分化されていて、自分ができる業務の範囲が狭い傾向がありますよね。私は経験を積むことや勉強ができる会社で、直接聞いて学べる環境を求めていました。
また、全国展開しているところでなく、せっかく沖縄に住むなら地場の企業にこだわっていました。地元のお客さまと関わること、地元の方と一緒に働きたかったのです。
もう一つの理由は、この会社なら想いが叶うと思ったからです。地域と人に貢献できるのでやりがいを持てますし、自分が培ってきた経験をより専門化できると考えました。併せて、社長も上司も東京で働いた経験があって、東京出身の私にも温かくオープンな気持ちを持ってくれていることがオンライン面談を通しても伝わってきたので、安心して転職を決断できました。
旅行で来ていた沖縄は、実際に住んでもイメージ通りですぐに馴染めた。
転職していかがですか?
旅行で来た沖縄のイメージはオープンで明るい人が多いと思っていましたが、沖縄の人って意外とシャイでした。職場でも、はじめはどうしようと戸惑った瞬間もありましたが、今では皆さん優しくて、仲良くしてくれています(笑)。
あと、沖縄では意外と催事などで東京フェアのイベントがあるので、東京限定のお菓子などを見て懐かしいと感じています。
転職して良かったと思うことは?
沖縄という暮らしたいところで暮らせていることです。私は、本当に納得のいく転職ができて良かったです。家賃は安く海は近いし、シュノーケルやサップもできて、砂場に寝そべるだけでも「沖縄に住んでる!」という充実感があります。自分の求めていた環境で過ごすことができている日々に満足しています。
そして、本当にいい職場でみんな親切で優しいので、人間関係でも困ったことはありません。収入面は多少は落ちましたが、まだ若く独身なので大丈夫だと前向きに捉えています。転職の際も目先の収入は気にせず、自分が成長できる仕事内容かどうかに重きをおいていました。日々勉強させてもらえて、自分の好きな環境に住んでいるので、これ以上の幸せはないです。現状に対する不満はまったく感じていません。
困っていることや課題はありますか?
運動不足なことくらいですかね。都内に住んでいるときはよく歩いていましたが、沖縄に来てから歩くことへのハードルが上がってしまいました。車が楽なことを覚えてしまって、少しの距離を歩くことにも抵抗があって、こんなんじゃダメだ!って(笑)。休みの日はゴルフに行ったりして、何とか運動不足を解消しています。
大学の同級生も沖縄に住んでいたり、移住する時にいろんな人が沖縄の人を紹介してくれたり、会社の人もいますし、ホームシックにはなっていません。
生活面の変化はありましたか?
この夏は友達に会うこともできず、少し寂しい時期が続きました。コロナなので仕方ないですね。最近発見したのですが、沖縄のスーパーが楽しくて、特にファーマーズマーケットは毎週通っています。沖縄の野菜や果物がたくさんあって、青パパイヤ、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、島唐辛子など、東京では売っていない食材を購入して料理しています。
職場の方からはフルーツをいただいて、酵素シロップ作りにもチャレンジしました。東京では絶対こんな経験はできなかったので新鮮で楽しいです。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
自分の中の納得感があるかどうかがまずは大事だと思います。転職も移住も大きな変化ですし、チャレンジです。後先考えずに飛び込むのはよくないですが、自分で今だと思うタイミングをキャッチすることは重要です。行動してしまえば、世界が180度変わります。
私は沖縄に移住すると決めた時、周りから「海なんて3ヶ月で飽きるよ」と言われたのですが、まったく飽きないですね。心配されてネガティブな言葉をもらうことも多々ありました。でも、コロナというタイミングや若さゆえの勢いもあったとは思いますが、理想の職場が見つかった。すべて自分のタイミングを信じて良かったと思っています。